当院では睡眠時無呼吸症候群の検査と治療を行っています。
1. 睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気ですか?
睡眠中に大きないびきをかき、呼吸が止まるといった特徴があります。しかし、寝ている間のことなので、本人は気づかず過ごしてしまいがちです。
主な原因は上気道の閉塞で、胸や腹は呼吸しようと努力をしても上気道がふさがって呼吸ができない状態になります。
実際には、いびきが10秒以上なくなり再び激しいいびきが出現し、この繰り返しが見られます。
睡眠時無呼吸症候群の症状
- 起床時の口や喉の乾燥、あるいは頭痛
- 熟睡感がない
- 日中の強い眠気、居眠り
- 睡眠中の中途覚醒(苦しくて目が覚める
- 疲労感や集中力の低下
大きないびきをかく、日中の眠気、起床時の頭痛やだるさといった症状でお困りの方や、以下のセルフチェックを行い合計点数が11点以上の方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
その場合は、是非『かしま病院(内科)』にて受診されることをお勧めします。
ESS眠気度チェック
睡眠時無呼吸症候群の定義としては、無呼吸(10秒以上の呼吸停止)、低呼吸(正常安静呼吸の50%が10秒以上)が1時間に5回以上ある場合、または1晩に30回以上ある場合をさします。
無呼吸・低呼吸が1時間に何回起こるかを表したものをAHI(無呼吸・低呼吸指数)といいますが、この値により重症度を次のように分類します。治療の対象になるのは中等度以上の方です。
軽度 | 中等度 | 重度 | 最重度 | |
---|---|---|---|---|
AHI | 5~15 | 15~30 | 30~45 | 45~100+ |
2. どのような検査が必要ですか?
簡易検査(スリープテスト)
まず、簡易検査であるスリープテストを行います。
腕時計型の小型の装置で、手首に装置本体、指に血中酸素飽和度を図るセンサー、鼻にいびきや呼吸・低呼吸を調べるセンサーを取りつけます。夜寝る前にご自分で装着していただきますので、検査室で装置の貸し出しと取り付け方の説明を行います。
精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフィ)
簡易検査(スリープテスト)で異常が見られた場合には、精密検査であるPSG(終夜睡眠ポリグラフィ)を行います。
この検査は、寝ている間の呼吸の状態や、睡眠の質・深さを調べるため体に様々なセンサーを取りつけます。
検査部位 | 検査項目 |
---|---|
頭 | 脳波記録 |
目の周り | 眼球運動記録 |
あご | 筋電図 |
鼻 | 鼻、口の呼吸の記録 |
のど | いびき音の記録 |
指 | 血中酸素飽和度 |
胸・腹 | 心電図、胸・腹の動きの記録、体位の記録 |
足 | 筋電図 |
3. どのような治療が必要ですか?
経鼻的持続陽圧呼吸療法治療(CPAP:シーパップ)が、中等度以上の症例治療の第一選択となっております。
この治療法は、何らかの原因で発生する気道閉塞に対して行う対処療法の一つで、鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力をかけ気道を閉じないようにするものです。
睡眠時無呼吸症候群の原因に対する根本的な治療ではありませんが、現在では最も有効な治療法と考えられています。
4. 治療しないとどうなりますか?
呼吸が止まることにより低酸素血症(血液中の酸素が通常より低くなる)になり、心臓や脳に悪影響を及ぼし、高血圧・心血管疾患(不整脈・狭心症・心筋梗塞・心不全)・脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)などの病気の発症や悪化の原因となります。
また、眠りの質が損なわれ、日中の眠気などのために仕事に支障をきたしたり、居眠りによる事故の発生率を高めたりします。
5. 受診したいのですが、どうすればよろしいですか?
まずは、かしま病院(内科)を受診してください。
当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を、予約制で行っております。
簡易型のスリープテストは月曜から金曜まで行っており、ここでSASの疑いがある場合には、精密検査である終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を行います。
PSGは、毎週火曜と木曜に1泊2日で行っています。睡眠中の検査ですので、19時までに来院していただき、翌朝7時30分までには退院可能です。
6. 検査、治療は保険が使えますか?
睡眠時無呼吸症候群の検査、およびCPAP療法(睡眠時無呼吸症候群と診断された場合)共に保険適応になります。